御粥

 はや七日が過ぎました。いつだったか、この欄で御粥のことを書きましたが、七草かゆ、小豆かゆ、御粥神事、と薬草に因んだ神事や民間信仰のことなど。今日はすこし遅がった視点からみてみましょう。
 と云うのも、おかゆは、食べるとも呑むとも云いません。ふつう「おかゆをすする。」と、云います。「すする」とは、いま一、はれの詞という気がしません。すすり泣く、とか。鼻じるをすする、とか、あまり良い印象のイメージが湧く言葉でないように思われます。ずるずる、と吸いこむなど、の光景が目に浮かびます。すすって呑む、とか、すすって食べる、と云うふうに動作を連想させたところから、すする、と云う表現になったのかも知れません。
 辞書を引くと、難しい字が並べてあります。どの文字も今の世では使われていません。「啜る」のみがパソコンの文字にある程度です。
下鴨神社の元日の神事は、古い時代は午前二時から始まりましたが、現在は午前六時からです。まず朝廷からの御供えを献進するところから始まります。そうして、その祝詞。次が若水の供進、その祝詞。次、御薬酒、備進、祝詞。次、御饌(みけ)、献供、祝詞。次、御内儀御祈祷(ごないぎごきとう)、祝詞。等々、まだまだ続きます。
ところが、若水の祝詞には、「若水を供進し」と、書かれています。御薬酒備進の祝詞は「薬酒をすすぐ」、とあります。「すすぐ」は、パソコンの文字にはありません。酉(とり)ヘンにイン・胤の左右をとった中の字をツクリにした文字が使われています。字引を引くと、「口をすすぐ」とも「すする」あるいは「すすめる」「酒を供える」等、書かれています。おそらく祝詞は、作法の表現から書き表されているものと思われます。単に瓶子(へいし)に入れた御薬酒を神前に供えるだけではなく、オシデにそそぐ・すすめる、と云う作法があるからでしょう。御饌は献ずるところから、と書き分けています。


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