季節の催事
 糺の森の納涼古本市

 今年の残暑は、厳しく、毎日報じられていますのは、「今日も京都は三十七度」「これで、四日、連続、真夏日です」と。
 たしかに、京洛では、祇園祭がすみ、みたらし祭がすむと、朝晩には、秋の気配がそれとなく感じられるのですが、今年はそうではありませんでした。古本市の最後の日が大文字さんです。その頃ともなると、さすがに、朝晩、吹く風の匂いの違いを感じます。
 今年で二拾何回目かの古本市をのぞいてみました。そして、奇妙な本をみつけました。
 一冊は、『燧袋之傳 諸社秘説』と、題簽(だいせん)(題名のこと)のある古書です。「ひぶくろのつたえ」とでも読むのでしょうか。「しょしゃひせつ」とは、古い神社に伝わるひめごと、と言う事のようです。
 もう一冊は、『大山論 完』と、題した古書です。両方とも高い値段でした。どうして、こんなに、訳のわからない本の値が高いのだろう、と思えてなりません。それほど、資料的に価値があるのか、どうか解りませんが、とにかく買うことにしました。と、云うのも『大山論 完』は、知っていたからです。鴨神道関係の資料に引用されているからですが、引用されているのは、部分だけで、全体を目にすることが無かったからです。云わば稀本(まれほん。めずらしい本)です。しかしこれは、版本ですから、かなり冊数があるとみなければなりません。
この書は、鴨神道説の唱導者の一人、梅辻規清の講義録です。たぶん江戸で瑞烏園(ずいうえん)という塾を開いていた頃の講義録と思われます。塾では、鴨神道の思想信仰のみならず医学、建築から、國学等々、巾ひろい学問を講じていましたので門弟がたくさんいたと記録されています。
 「大山論」には「人の病を治すには、第一に人の体の中を知りて後に病を治すべき也。其の体の中を知るには天地の理を極め其天地の理を以て体の中を診察するなり」等々、天地と月と太陽、星の巡り、山川草木、自然の有様をこんこんと解いています。
 また、『燧袋之傳 諸社秘説』は、誰かが諸書から抜粋し、諸説を一冊にまとめたのではないかとみうけます。最初の章がたまたま火打ち石の袋のことであったため、『燧袋之傳』としたものと思われます。火打ち石のことは、『古事記』『日本書紀』『万葉集』等々にあり、古代から神秘でありながら身の回りにある大切な用具でした。特に軍事に鉄砲が用いられる時代が到来するとなおさらでした。「長さ六寸。巾四寸。尺は金ざし也。根付は竹ざやのすす竹。柄は桑の木也。袋の口をこまかにひたを取り紐を付け袋の形のようになす」と、図を画いて解説しています。そうして「燧袋の事、神名秘抄に詳しい也。巨勢伊勢守家秘事にする事也」と、していますが、よくわかりません。
「諸社秘説」は、内容は「御霊御神体傳」「熱田再奥極傳」「春日四所皇大神宮之傳」「下鴨本社之傳」「上賀茂社之傳」とあり、特に下鴨神社の異説がこと細かく記されていますが、内容から見て下鴨の氏人などが記したとはみられません。
しかし、古い時代、人々は神社をこのようにみていたことを知れる面白い集成です。
それをまた、探す古本やあさりが楽しみです。


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