宮司の挨拶

一年最初のお祭

R1-01-02 / 240話

明けまして おめでとう御座います

 旧年は 災害の多い年で 大変でした。新年は 穏やかな 良き

年でありますよう 祈り上げます。

 元日の初日を拝まれたことと 存じます。下鴨神社では、午前六時から、新年初の神事祭事が始まります。約三時間かかる祭事です。祭事の途中、白々と夜の明け行く空を見つつお祭ごとを勤めております。明け方の特に冷えびえとしたなかで一年、最初のお祭です。今年の初日は、特に神々しい日の出でした。

お祭は、御薬酒―お薬を先ず、御供えします。その次ぎが、重要文化財の御井(みい)(井戸のこと)から、ツルベで汲みあげた若水を御供えいたします。その次ぎが天皇陛下からの御供えです。その次ぎが宮中でちょうどこの時間帯におこなわれる四方拝にお応えする御本宮をはじめ摂社各社への奉幣をおこないます。

その続きに、光仁天皇は、天応元年(七八一)四月二十日より、布衣(ほい)(装束の名称)を着け、笏(しゃく・古くは牙笏、げしゃく、象牙や水牛の牙製のもの。延喜式以降今日までは木製)(威儀を整えるため右手に捧持するもの)を持し祭儀をおこなうよう定められましたので、布衣のまま千三百年間かわらずに一年最初のお祭である歳旦祭を奉仕します。